三十路だけど公務員辞めてきた。

30歳にして市役所を退職した元公務員のブログ。主に役所の裏側や退職について。

【特殊詐欺】なぜ還付金詐欺がなくならないのか?防ぐためのたった2つの方法。【自分だけは大丈夫?】

還付金詐欺とかいう特殊詐欺

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 テレビでは今日も還付金詐欺、いわゆる特殊詐欺や振り込め詐欺の話題をやっています。

 実際に引っかかるのは1万人に1人ぐらいなんでしょうけど、未だに手を変え品を変え「特殊詐欺」が残り続けているのは、きっと旨みのあるビジネスだからなのでしょう。

 驚くのは、こんな詐欺に引っ掛かって100万~数千万円をポンッとくれる方が現在の日本にまだまだいらっしゃることです。
 今の若者は所得が足りなくて車が無い結婚できないなろう小説にしか逃げ場がないなどと散々に言われているのに、この差は一体なんなのでしょうか? 
 そんなにお金が余っているなら、いっそこちらからブログのスポンサーになってくれるよう申し出ようか。

 昔は特殊詐欺というと、お金に困った息子の名を騙ってお金をだまし取るような、人の情や優しさにつけ込む「オレオレ詐欺」が有名でした。「オレオレ詐欺」も今だに全体の半数以上を占めるメジャー詐欺ですが、他に「還付金詐欺」といって、「こうすればお金が戻ってきますよ。」という、どちらかと言うと人の射幸心や「損したくない」という気持ちを煽るような手口もあります。
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(出典:平成29年の特殊詐欺認知・検挙状況等について(確定値版) - 警察庁

 医療費か何かが返ってくるとか何とか言い含めて銀行まで誘導し、ATMの操作まで電話口で懇切丁寧に教えてあげて、それで口座に振り込ませておしまい。その性質から、普段ATMで振り込みをした経験が無い人が被害者になりやすいと思われます。

 しかしこの還付金詐欺、考えれば考えるほど、日本人の性質やお人好しな部分を上手く突いているな、と感心させられます。
 もちろん悪いことですので、感心してはいけないんですけど。

 それで、何となくですがこの形態の詐欺被害が撲滅されない理由対策が見えてきました。

※警察が還付金詐欺について何ら対策を講じていない訳でありません。むしろ銀行や関係機関との連携によって、件数や被害額の減少はしているようです。

還付金詐欺に引っかかりやすい人の特徴

暇がある・金がある

 まず、電話口で説明を一通り聞いて、そこから実際にお金を渡したり振り込んだりする時間がある人しか被害者になり得ません。そのため、定年後のお年寄りや高齢者が狙われやすくなります。

情報やハウツーを自分で調べようとしない。只で得ようとする。

 知人から聞いたのですが、確定申告の時期になると農家の人たちが、農協の営業担当者に確定申告のやり方について教わろうとするそうです。……いえ、実際には、計算や細かい部分は営業担当者の人がやっている部分があるそうです。

 青色申告でもない、只の農業申告です。 
 もちろんその農家の人たちはメモなんて取りません。頼めば親切な農協の方がまた来年もやって教えてくれるからです。

 失礼ながら「そういう人たちは特殊詐欺のターゲットになりやすいだろうな。」と思いました。
 不測の事態に自分で調べない人は詐欺グループにとっても、きっと思惑通りに誘導しやすい存在でしょう。

口頭による説明を無条件に信頼する

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 従来の「オレオレ詐欺」が早った頃は、被害者に多いタンス預金者をバカにする風潮がありました。しかし最近の特殊詐欺の恐ろしいところは、銀行ユーザーまで餌食にしてしまうことです。

 なぜなら、加害者が被害者に、電話口で新説丁寧にATMから他の口座への振り込み方レクチャーしてくれるからです。
 そして分かりにくい行政文書やインターネットの記事よりも、電話や対面で話す人に親しみや安心を感じてしまう人もいるでしょう。

 これは育ってきた時代背景で仕方ない部分もあるのかな…、とは思います。本当によく付け込んでいます。
 しかし口頭のやり取りは「言った・言わない」になりやすいし、額の大小はあれどお金の還付という大事なシーンにおいて、口頭だけのやり取りがはたして相応しいのか、という疑問はあります。

自分にとって旨みのある情報や断片的部分しか覚えない

 これもまた確定申告の話で、医療費控除の問い合わせでよくあったのですが、
 「お金が戻って来るって聞いたんだけど~?」
 という人多すぎです。自分にとって都合の良い部分しか覚えてません。

 医療費が戻ってくるのか所得税として納めた税金が戻ってくるのか区別の付いてない人が多かったです。
 それで細かく話を聞いて源泉徴収票を確認してもらったら、所得税額が0円だったことがよくありました。

 「お金が戻ってくる」と聞いたら、どういった名目や理由(制度)でお金が戻ってくるのか、還付元はどこなのか、といった細かいところまで確認しておくと良いです。

ここがオカシイ還付金詐欺

手続きに判子や手記がいらない。やけに丁寧なATM操作ガイダンス

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 他にプリペイドカードやキャッシュカードの直預かりという手口もありますが、還付金詐欺の主な手口として有名なのが電話ガイダンスによるATM操作です。でも、電話口のみのやりとりでお金が戻ってくるなんて、やけにスムーズ過ぎると思いませんか?

 特に相手が公的機関を騙っている場合は、「電話口でサービスが完了する」時点で疑いを持った方がいいです。

 私も短くないお役所生活で毒された部分はありますが、人一人にお金を返還するために判子手記もいらないなんてオカシイと感じます。いつから日本がそんなIT先進国になったと錯覚していましたか? ここはエストニアじゃないんです。

 会長「ふむ、会長室にパソコンを持ち込み、連絡手段としてメールを使用してはどうだろうか?」 
 新聞「すげえ!! さすが、〇〇流だ…。」
 という異世界転生みたいなコントが現実で繰り広げられている国です。 

 さらに公的機関の人間が一人一人丁寧に電話で該当者に指導や連絡をする・・・?
 世間の人は公務員が暇だと思い込んでいるから、案外疑わないのかも知れません。

何で「戻ってくる」はずなのにこちらから「振り込む」のか?

 そもそもその時点で疑いを持つべきだと思うのです。
 おそらく被害者の殆どが、ATM操作による他人の口座への振り込み経験が無い、あるいはあってもその時の記憶を忘れているのでしょう。

 ご高齢の方には酷かもしれませんが、機会の操作に普段から慣れておくことも効果的な対策になります。

どうすれば特殊詐欺を防げるか?

「自分だけは大丈夫」の壁? 精神論は捨てよう。

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 ニュースで流れていた特殊詐欺の被害に合わないための講座の様子を見たのですが、正直なところ「頑張って詐欺被害に合わないようにしよう! おー!」みたいな曖昧な雰囲気しか感じられませんでした。

 下記グラフの『被害に合わないと思う理由』も中々凄い内容です。2位:だ ま さ れ な い 自 信 が あ る か ら(家族の声やうそを見分けられる自信がある)。う~ん、B29に竹槍で挑むかの如く精神論。
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(出典:「特殊詐欺に関する世論調査」の概要 1頁

ATMや機械の操作に慣れておく。

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 繰り返しになりますが、自分で振り込みや送金の操作をした記憶があれば、操作の途中で「あれ、おかしいぞ。」と気づく確率が上がります。最初の内は機械の操作がよく分からなくて、窓口にお願いしてしまうかも知れません。しかし機械で行った方がすぐに済むし、手数料が抑えられることもあります。

情報を自分で調べる練習をする。

 どういった理由でお金が戻ってくるのか、制度の名称や担当部署をきちんと聞いておいてグーグルで検索すればOKです。
 「〇〇控除 本当」「〇〇金還付 詐欺」といった複合キーワードで検索する手段もあります。

 私も架空請求が来た時にはまず、その会社の名前を調べました。
 すると、怪しい会社はすでに掲示板みたいなサイトで吊し上げられていたのです。

 おかげで余計な心配をせずに済みました。

最後の手段「よく分からないから役場に聞くか。」

 「関係機関とかよく分からないから、取り敢えず役場に聞くか。」
 自分で調べることに限界を感じたら、もちろんそれもアリだと思います。

 自分でよく分からないまま突っ走って、犯罪組織の資金作りに協力してしまうより遥かにマシです。

 私が役場にいた頃も、実際にそういった相談はありました。そのケースはまだ振り込む前だったので、事なきを得ました。

 ただ、たまたま電話を受けた職員がわざわざ部長職までことの経過をペーパーで報告しなければいけなかったのは、可哀そうだと思いました。
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