三十路だけど公務員辞めてきた。

30歳にして市役所を退職した元公務員のブログ。主に役所の裏側や退職について。

勤続10年以内で自主退職した地方公務員の退職金はいくら?【計算方法有】

「公務員は退職金をたくさん貰える」のは本当か?

お前、たんまりもらったんだろう?


…御冗談を……。むしろあまりに少なかったので、これまで公表をためらっていたぐらいです。

といっても、公務員の退職金はその計算に用いる支給率が公表されているため、もらっている給料を掛ければ大体の額が計算できるんですけどね

そのため、退職前にある程度の金額を試算しておくことは可能です。

お金のことは大切ですので、公務員を辞めようかと考えている方は、ぜひ参考にしていってください。

退職金の試算方法と根拠。国も地方も計算方法は一緒。

f:id:London-airp:20181107060604j:plain

地方公務員の退職手当については、地方公務員法(昭和25年法律第261号)第24条第3項に基づき、国家公務員の制度等に準じることとなっており、総務省では、国家公務員退職手当法(昭和28年法律第182号)に準じて「職員の退職手当に関する条例案」(昭和28年9月10日自治丙行発第49号自治庁行政部長通知)(以下、「条例案」という。)を作成し、各地方公共団体に示しているところである。
(引用:地方公務員の退職手当制度について - 総務省

引用元より、地方公務員の退職手当に関する決まりは国家公務員の制度等に準じる、つまり国家公務員でも地方公務員でも計算方法は一緒であるということが分かります。

続いて、退職金の具体的な計算方法に踏み込んでいきます。

2.地方公務員の退職手当制度の概要
○ 条例案は、国家公務員退職手当法に準じたものとなっている。
○ 退職手当の基本算定構造


退職手当額基本額 調整額
 基本額  = 退職日給料月額 × 退職理由別・勤続年数別支給率
 調整額  = 調整月額のうちその額が多いものから 60 月分の額を合計した額
(引用:地方公務員の退職手当制度について - 総務省

退職手当額基本額 調整額

具体的な計算方法です。「退職手当」は(基本額)と(調整額)の和であり、(基本額)は退職月の(給料)に勤続年数に依る(支給率)を掛けて算出するものだということが分かります。

(基本額)とやらが、退職時の給料に何かしらの係数を掛けて計算するものだとイメージしてください。

それでは、もう一方の(調整額)とは一体どういったものでしょうか?


☆調整額とは?

調整額(平成18年創設)
  基礎在職期間の初日の属する月から末日の属する月までの各月ごとに、当該各月にその者が属していた職員の区分(第1号区分~第11号区分)に応じて定める額(以下「調整月額」という。)のうち、その額が多いものから60月分の調整月額を合計した額。
(中略)
(注1)勤続期間9年以下の自己都合退職者等は調整額が支給されない。また、勤続期間1年以上4年以下の退職者(自己都合退職者以外)及び勤続期間10年以上24年以下の自己都合退職者は調整額が半額になる。
(引用:内閣人事局|国家公務員制度|給与・退職手当

調整額は9年以内の自主退職者には支払われず24年以内の自主退職者においても半分(30月分)しか支給されません

経験のある職員を出来るだけ囲い込み、離職率を下げるための制度と言えるでしょう。

私のような早期の自主退職者においては、退職金に含まれないことが殆どです。

逆に言うと、9年目で辞めるとたった1年の違いで退職金の額に大きな違いが出ることになります。

しかし、その9年目で本当にどうしてもすぐに辞めたいという事態になるかも知れません。退職はあらかじめ計画的に行うことをおススメします。


また、(基本額)の計算に用いる「勤続年数別支給率」ですが、上記のリンク先では曖昧な書き方をされているため、こちらのPDFファイルを参照します。

(引用:国家公務員退職手当支給率早見表

私の退職金は〇〇万です。

f:id:London-airp:20181109224113j:plain
さて、国家公務員退職手当支給率早見表によると、私の退職金の支給率は6年目自己都合退職(一番左端の欄)のため、3.0132でした。
※支給率は変わることがあるため、より厳密に確認しておきたい場合は、そのつど「国家公務員退職手当支給率早見表 平成〇〇年」などで検索をかけると良いでしょう。

そこに給料を掛けると、退職金はだいたい75万円ぐらいです。

これを多いと見るか少ないと見るか…。おそらく意外な額だったのではないでしょうか。


公務員の退職金が高いというイメージの原因は、定年退職した場合の額から来てると思います。

退職金は(給料)×(支給率)の積で決まり、給料の等級も時間経過と共に上がっていくため、在職期間が長くなるほど退職金の額は指数関数的に増大していきます

定年の60歳まで居られれば、誰でも2,300万ぐらい貰えます。あくまで今のペースならですが。

公務員の給料は法律で簡単に変えられてしまうため、今後、日本の財源の状況次第ではどうなるか分からない部分もあります。


念のために言うと、計算の基となる退職日の給料はあくまで額面で決まっている給料のため、最後の月にたくさん残業をして退職金を稼ぐ…ということは出来ません

退職金の計算根拠となる給料には「手当て」が含まれていないため、時間外手当も当然そこには含まれていません。

<参考>内閣人事局|国家公務員制度|給与・退職手当

    地方公務員の給与の体系と給与決定の仕組み

休職や産休をしていても退職金はちゃんと貰えるの?

大丈夫っぽいです。おそらく心配しているのは、基本額の計算元になる(退職月の給料)が通常よりも少ないため、退職金も大きく減少しないか...…ということだと思います。

しかし下の引用先にあるような複雑な計算を行えば、退職月の月給が過去に比べて下がっているときも多少のリカバリーが効きます。

……ただそんな面倒くさいことをしなくても、最後の1月だけでも復職すればいいと思います。

ロ. 俸給月額が減額されたことがある場合の特例
 基礎在職期間中に、俸給月額の減額改定以外の理由(降格、俸給表間異動等)によりその者の俸給月額が減額されたことがある場合において、減額前の俸給月額(当該理由による減額がなかったものとした場合の俸給月額のうち最も多いもの。特定減額前俸給月額。)が退職日俸給月額よりも多いときは、以下の退職手当の基本額の計算方法の特例を適用。


<俸給月額の減額改定以外の理由により俸給月額が減額されたことがある場合の特例>
退職手当の基本額= 特定減額前俸給月額×減額日前日までの勤続期間に応じた支給率×調整率+退職日俸給月額×(退職日までの勤続期間に応じた支給率-減額日前日までの勤続期間に応じた支給率)×調整率

(注1) 基礎在職期間は、退職手当の支給の基礎とすべき採用から退職までの期間を示す。
(注2) 定年前早期退職特例措置の対象者は、「特定減額前俸給月額」と「退職日俸給月額」の両方が割増の対象となる。
(引用:内閣人事局|国家公務員制度|給与・退職手当

退職金の確定申告は必要?

f:id:London-airp:20181109224303j:plain

退職金は、勤務先に所定の手続をしておけば、源泉徴収で課税関係が終了しますので、原則として確定申告をする必要はありません。(引用元:退職金と税|国税庁

……おしまい! では寂しいので、気になる方は所得控除額を計算し、きちんと所得税が徴収されているかどうか確認しておくといいでしょう。


退職金の所得控除額も、国税庁のページで求められます。

【退職所得控除額の計算の表】

勤続年数(=A) 退職所得控除額
20年以下 40万円×A
20年超 800万円+70万円×(A-20年)

注1:勤続年数に1年未満の端数があるときは、たとえ1日でも1年として計算します。
注2:上記の算式によって計算した金額が80万円未満の場合は、退職所得控除額は80万円になります。
注3:障害者となったことに直接基因して退職した場合は、上記により計算した金額に、100万円を加算した金額が退職所得控除額です。
(引用:退職金と税|国税庁

私の場合は40万円×7年で280万円。余裕で全額控除されます。こっちが退職金ならよかったのに。

退職金の控除額は大きいため、定年か20年以上ぐらい務めた方でないと徴収対象になりません。