三十路だけど公務員辞めてきた。

30歳にして市役所を退職した元公務員のブログ。主に役所の裏側や退職について。

(^q^)「前の人(前任者)はやってくれたのに。」←公僕ワイ「左様でございますか(んな訳ねえだろカス)。」

 役所で働いていた時に聞きたくない言葉、フレーズというものがあった。私はそれを密かに「バブゥ発言(赤子程度の知能からくる発言という意味)」と呼んでいたが、それは「前の人(前任者)はやってくれたのに。」と「税金払ってるんだから。」の2つである。

担当者主義に支配された公務員の悲劇

 後者は良く聞くフレーズだと思うので割愛するが、前者の意味について説明する。
 市役所や区役所、町役場のでは人事異動が高い頻度で起こるため、2、3年で部署の人員は変わる。そのため業務に十分精通した職員が少ない環境で、現場の職員は何とか業務に取り組んでいるのが現状である。
 おそらく「1年で基礎を覚え、2年目で業務を把握し、3年目で業務改革をする。」をモットーにしているのだろうが、精神論を唱えているだけで具体的なマネジメントがある訳ではないので、その掲げた崇高な理念は果たせているかどうか疑問である。
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 また公務員の世界には、自分とは関係の無い業務には触れたがらない"担当者主義"がある。これは、職員の多くが意欲ある若手の時期に担当業務外のことをして先輩職員に叱られた経験があるため、身に刷り込まれている処世術のようなものである。
 それは管理職でも同じであり、人にも依るが「引き継ぎは担当者どうしでやるもの。」と宣い、部下の係員の業務を把握していなくても全く悪びれない上司もいる。そのため窓口や問い合わせが多い業務であっても、担当者が異動した途端に訳が分からなくなることが多々ある。その上、引き継ぎが十分に行わなければ、異動して1年目では担当者でも業務やそれに関わる法規を十分に理解していないことが多い。

 そういった事情を、役所に用事の多い人間(良い意味でも、悪い意味でも)には察せられてしまっている。だから、必要な書類を持ってこなかったり、自分で何か準備しなければいけない状況でも、「あれ~、前の人はやってくれましたよ。」などとトボケてカマすことが稀にある
 しかし住民の立場からすれば、イラ付く気持ちも分かる。というより、上記の内容は明らかに住民側にとっては不利益である。昨日まではベテランの頼れる職員がいたのに、いきなり経験の浅い新任者に代わられれば不安も覚える。以前から回りにいた職員や上司が業務内容を把握していてサポートが見込めるならその不安も和らぐかも知れないが、市民も役所の"担当者主義"にはある程度気付いてしまっている。

公務員の「引き継ぎ」とは3年経って、前任者のコピーとなることである。

 私が定時過ぎに申請書を持ってきたある市民の対応をして、申請書を受理したことがある。すると当時同じ部署にいたBBA先輩職員に「あなたが異動した後、"前の人はやってくれた。"と言われるのだから、余計なことはしないで。」と言われたことがある。

 ...御冗談を。その場で書類を受け取らずに後で面倒くさい対応をしなければならないなら、多少の時間切れは大目に見る。その方が時間と心労のコスト的に考えて、圧倒的に安い。窓口に来た市民が開き直った態度なら、こちらもどう対応していたか分からないが、その辺は個人の営業である。そして、自分が申請で受益する立場になったら同じことを考える。
 話を戻して、そんなに前任者と同じ対応をしてもらいたいなら、いっそ窓口にアメリカのマクドナルドのような機械を導入したらいかがだろうか。または職場のルールがあるならそれを明記化し、窓口に立つ可能性のある全員で共有すれば良いのに。
 それをしないで、"担当者だから窓口に立ってもらうけど前の人と全く同じ対応を覚えて。職場の空気は読んで。"、と言うのはいささか非効率的過ぎである。

 異動にはコストが掛かる。異動直後は業務に慣れない内に書類や申請書も大量に来るため、その対応と処理に追われて時間外業務をする羽目になることが多い。特に、年度の変わり目はやることが多い。本来なら従業員に経営者目線という余計なものはいらないと考える私でも、さすがに"異動してやることは、前任者のコピーになること"というようなコスト感覚無視の発言には草が生えた。